設立の趣旨

 家族形態、地域社会の変化に加え、制度のセイフティネットが機能しないため、孤独死、引きこもり、高齢者虐待・児童虐待、DV、高齢者を対象とする詐欺、貧困、ホームレス、ゴミ屋敷など地域社会のなかに新しい生活問題が多く出現しています。

 このような問題は、現代社会のなかで市民の誰もが遭遇する可能性をもつものであり、誰もが安心して地域のなかで暮らしていくことができるよう、あらたな生活支援のしくみを構築することが課題となっています。そして、市民一人ひとりがこうした問題解決をみずからの課題として認識し、市民共通の課題として解決に取り組むことが求められています。

 私たちの考える市民とは生活者としての自覚をもちつつ、みずからの責務と権利を実行する人びとを意味しています。また、市民活動は自発的な参加を契機として市民同士のつながりによって形成されるものであって、行政や企業といった他のセクターに対して独自性をもつものです。市民活動は市民生活のあらゆる場面で、多様なテーマ、目標、形態をもって展開されています。そして、行政サービスの限界が明らかになるなかで、市民一人ひとりの自覚にもとづく市民活動の役割はますます大きくなっています。

 そこで、法人化により、今後、市民の立場にたった各種調査研究、事業企画、研修、プラットフォームづくりなどを行い、市民自身が主体的に問題を解決していく活動への支援を通して、一人ひとりの市民の自立と、地域に根ざした市民による地域社会づくりを推進してまいります。

 特定非営利活動法人化する理由は、営利目的ではなく、市民の幅広い参加を得ながら、これまで実践してきた調査・研究や事業をさらに発展させるとともに、地域福祉を担う市民と専門職の育成に力を注ぐため、関連団体や行政との連携を深めていくことが必要であるからです。そのためには、情報公開が義務付けられており、透明性のある特定非営利活動法人としていくことが最良の策であると考えました。

2016年4月7日

特定非営利活動法人 福祉と市民活動研究所
設立代表者 齊藤 貞夫



発足式の様子(2015年12月12日)

発足式の様子